伝燈院 赤坂浄苑 副住職 角田賢隆

伝燈院赤坂浄苑副住職

改歳(かいさい)の晨(しん)を迎え謹んで新春のお喜びを申し上げます。

平成二十五年に開苑いたしました当浄苑も早いもので本年五周年を迎えます。
地元の商店会・町内会の皆様からはご理解とたくさんのご協力を頂戴しております。また、多くの方にご契約いただきましたことは、当苑の取り組みが皆様にご理解ご賛同いただいていることと大変感謝しております。

開苑当初はご縁をいただくため、当浄苑を知っていただくことに尽力してまいりましたが、ここ最近はご縁をいただいた皆様方の満足と、より良い関係性を築くことに重点を置くようになってまいりました。

禅語に「百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう)一歩を進む」という言葉があります。(大河ドラマ「おんな城主直虎」の作中にも出てきた禅語です)
海岸にかかった百尺(約三十メートル)の竿(さお)を先端まで進んできた、もう一歩進むと海に落ちてしまう。だがあえて更にもう一歩進んでみろという教えです。
人はだれしも満足したり、限界を感じるとその歩みを止めてしまうものです。ですが本当の道はそこから一歩踏み出したところに続いていくのです。
仏教のみならず職人の世界でも、現状に満足するということは緩やかに自身の腕が落ちていくこととされています。

危ぶむなかれ、踏み出せばその一足が道となるのです。当苑も現状に満足せず次の一歩を常に模索しご契約者様・お寺にとってより良い関係性を築き、現代にあったお寺・お墓のあり方を本年も突き詰めてまいります。本年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

最後に皆様方の身体健全・諸縁吉祥ならんことをご祈念し新年のご挨拶とさせていただきます。